アリソンは速度を落とし、さらに細い道へと左に曲がった。再び加速する。ようやくヴィルの目にも、道の先にある小さな点が見えてきた。先ほどの車だった。
「どこ行くつもりかしら?」
「町、じゃない......。まったくの反対方向だ。向こうには......、たしか農地の他は何もないよ」
「それは、ますます怪しいじゃない」
アリソンは楽しそうに言った。
サイドカーが追いつくと、車は急に速度を落とした。
アリソンは十メートルほど後ろから、警笛を何度も鳴らす。車はさらに速度を落として、しかし止まらずに、そのままゆっくりと走り続けた。
憤慨したアリソンが言う。
「何あれ?――追い抜いて、前に止めるわ」
「無理だよ。幅が足りない」
ヴィルが言った。道幅は車一台半ほどしかない。路肩は、一メートルほど休閑地へと斜面になっていた。
「............。このっ」
悔し紛れに、アリソンは警笛をさらに鳴らしたが、車はからからように低速運転を続ける。
「こうなったら、燃料切れるまで追いかける!」
「そんな無茶な......」
ヴィルが言ったとき、車が道の中央に寄った。進む先に幅の狭い橋があった。
アリソンも、うるさく警笛を鳴らしながら、サイドカーを中央に寄せる。
「ん?」
車の右後ろの窓から、何かが出てきたことにヴィルが気づいた。それは人の手で、握っているのは黒くて小さい、細長い物。
先端の円い筒が、こちらを向いた。
「......!アリソン!銃だ!」
ヴィルが叫んだ。側車から立ち上がって、アリソンのジャケットを掴んで引っ張った。
「わっ!」
驚いたアリソンが側車に乗って、運転手をなくしたサイドカーがぶれる。ヴィルはアリソンを掴んだまま、路肩に飛び降りた。
二人は、雑草だらけの斜面を転がり落ちた。空の蒼と草の緑が交互に何度も見えた。
無人のサイドカーはバイク側に曲がるように進んで、橋の欄干に側車をぶつける。反動で半回転して、載っていたものをぶちまけて、横倒しになって止まった。
車内へと、手が引っ込む。車は速度を上げて走り去った。
アリソンは、路肩と農地の境目で仰向けになっていた。ゴーグルの上に雑草が被さって、視界は緑に覆われていた。
軽く手足を動かした。動かないところも、痛いところもない。
「ん?」
ふと、自分に何かが乗っていることに気がつく。ジャケットははだけていて、シャツの上から、胸を押す奇妙な感触があった。
アリソンは、ゆっくりと雑草を払いのけた。
「ヴィル......?」
艾莉森放慢速度,向左转弯到一条更加窄的小路上,然后再次加速。威尔渐渐又看到道路前面的小点了。是之前的那辆汽车。
“他到底想去哪?”
“不是去镇上……。是完全相反的方向。那边的话……确实是除了农田什么也没有啊。”
“真是越来越奇怪了,不是吗?”
艾莉森兴奋地说道。
摩托车一追上去,汽车就突然把速度降了下来。
艾莉森在后面大约十米的地方,不住地按警笛。汽车的速度更慢了,但是没有停下来,继续悠闲地行驶着。
艾莉森愤慨地说道,
“那是什么意思?——追到前面堵住它。”
“不行啊,路太窄了。”
威尔说道。道路的宽度只有一辆半车左右,路边是一米左右的连向空地的斜面。
“…………。这混蛋。”
艾莉森仿佛失去理智似地更加疯狂地按警笛,但是汽车却像是在耍她一般地,继续低速行驶着。
“你这样的话,我就追到你没油为止!”
“那么乱来……”
威尔说话时,汽车开到了道路中央。前面有一座很窄的小桥。
艾莉森一边不厌烦地按着警笛,一边也把摩托车开到中央。
“嗯?”
威尔突然注意到从汽车的右后窗里面伸出了什么东西。那是人的手,手里握着的是一个又黑又小,细长的物体。
那东西前面的圆筒,朝向他们。
“……!艾莉森!是枪!”
威尔尖叫道。他从侧车上站起来,抓住艾莉森的夹克一把拽过来。
“哇!”
大吃一惊的艾莉森跳进侧车,失去了驾驶员的摩托车也失控了。威尔抓着艾莉森,跳到了路边。
两人从杂草丛生的斜面上滚了下去。天空的蔚蓝和草地的翠绿交替入眼。
无人驾驶的摩托车向驾驶的那一侧倾斜着往前,撞上了桥的栏杆。因为反作用力,转了半圈,车上的东西都散落了出来,最后车子横着倒了下去。
那只手则缩回了汽车里,汽车也随之加速开走了。
艾莉森仰倒在路边和农地的交界处。防风镜上盖着杂草,视线也被绿色覆盖了。
艾莉森稍微动了动手脚。都能动,也没什么痛的地方。
“嗯?”
她突然发觉到什么东西压在自己身上。夹克敞开着,但有种什么东西隔着衬衫压住她胸口的奇怪的感觉。
艾莉森慢慢地把杂草拨开。
“威尔……?”
6/02/2007
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