世界暦三二八七年、初夏。
空には、透き通った薄い蒼。地には、平らな土を覆う植物の緑。
遠くに、中央山脈の峻険な山々が見え、そのいくつかは、頂にまだ雪を残している。
もう後ほんの少しの時が過ぎて、南からの風が吹き始めると、この地に本格的な夏がやってくる。
赤煉瓦の校舎を背にして、一人の少年が芝生に座っていた。
薄い栗色の髪に、茶色の瞳。平均身長と同じ背丈に普通の体つきをしている。着ているのは、夏服である白いシャツと薄い紺色のパンツ。襟についた小さな徽章がロウ・スネイアム記念上級学校の五年生であることを示している。飛び級をしていなければ、歳は十六か十七。連続二学期以上の落第、つまり留年は認められていない。
彼はのんびりとした動作で、脇の革鞄から本を取り出した。小さいが、厚みはかなりある本だった。裏表紙に、学校図書館の押印があった。
彼はそれを、栞の位置で開いた。読もうとして、ゆっくりと空を見上げた。眩しさを増してきた太陽は高い位置にあり、遠慮なく彼と頁を照らしている。
本を閉じかばんに入れて彼は立ち上がる。五十歩ほど歩いて、木々が植えられている一角へと行く。緑の葉が広がる枝の真下、影の中に座り直した。
そして、取り出した本を開く。
読み始めた。
世界历三二八七年,初夏。
天空是清澈的浅蓝色。平坦的大地上一片绿意盎然。
远处可以看到群山险峻的中央山脉,其中有几座顶上还残留着积雪。
再过一阵子,当来自南边的风开始吹起来的时候,这块大地上就将迎来真正的夏天。
背后是红砖砌成的校舍,一个少年坐在草地上。
少年有着浅栗色的头发,褐色的眼瞳。中等身高,体型也很普通。身上穿着的是夏天的服装,白色的衬衫和浅藏青色的长裤。衣领上佩着的小徽章显示着他是“罗·史涅亚姆”纪念高等学校的五年级生。若没有跳级的话,年龄应该是16,7岁左右。连续两个学期不及格,总之,还是没有被留级。
他悠闲地从腰际的皮包中取出书。那是一本尽管小,却很厚的书。封底上面印有学校图书馆的印章。
他把书打开到书签的位置。刚要读,又缓缓地抬头仰望天空。越发耀眼的太阳,在高空肆无忌惮地照耀着他和书。
他把书合上,放入包中站了起来。走了五十步左右,来到一个种植着各种树木的角落。最后在一棵绿叶繁茂的树枝正下方的树荫下重新坐了下来。
然后,打开了拿出来的书。
开始读起来。
1/01/2007
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