2/24/2007

アリソン 第一章 「アリソンとヴィル」(艾莉森和威尔) part.13

  「でしょう?」
  金髪を揺らしながら、アリソンが楽しそうに言う。そしてヴィルは、まったく違うところを見ていた。
  「そんな段階まで大丈夫なのか...…」
  「はい?なにか?」
  「両方の関係がさ。軍事交流があっただけで驚いたけれど、軍人同士がそんなに気軽に話して、ましてや手紙が送れるなんて思ってもみなかった......。アリソン、とりあえず手紙だけでもやりとりしようって返事を出せばよかったのに――いてっ」
  アリソンはヴィルを叩いた。
  ヴィル運転のサイドカーは、畑の中を走っていた。道は一段高くなっている。土を固めただけで、舗装はされていない。
  アリソンは、側車からのんびりと景色を眺めていた。畑の作物と、地平線と、遠くに中央山脈の山々。
  何もないところで、ヴィルが速度を落とした。前を見ながら、アリソンに話しかける。
  「そう言えば先月、僕はカアシに行った」
  「......先月ってことは、例のお祭りでしょう?」
  アリソンは顔をヴィルに向けた。ヴィルが頷く。
  「それは、ちょっといいな。楽しかった?」
  「それが......、遊びに行った訳じゃなくて、射撃大会に出たんだ」
  「ヴィルが?どうして?」
  アリソンが驚いて聞き返した。ヴィルは運転しながら、のんびりとした口調で話す。
  「春学期に友達に誘われて、拳銃射撃の体験授業を取った。軍事学の将校課程の。それまで鉄砲なんて撃ったことなかったから、おもしろそうかなって。そうしたら、『お前は筋がいい』なんていきなり誉められて......、次の日から強引に射撃部に入れられた。まあいいかなと思ってしばらく教わっていたら、今度は突然学校代表にされて、カアシ祭に出ろって言われた。その時は、ついこの前卒業した先輩に、もの凄く睨まれた......」
  「それは、そうでしょう。ラブトア共和国の射撃部なんて、一度はあの祭りに出て、みんなの前で撃ちたくて練習してるんだから」
  アリソンが呆れながら言った。そして、
  「それで、結果はどうだったの?何かもらえた?」
  軽い様子で聞いた。
  「六位だった」
  ヴィルがぼそっと答えて、
  「なんですって?六位?」
  アリソンは側車から身を起こして、大声で返した。ヴィルがちらっと顔を向ける。
  「立つと危ないよ。――偶然だったのか、たまたま調子がよかったのか。緊張していて、よく分からない間に始まって終わったみたいだった。でも、みんなが誉めてくれたし、先輩も睨まなくなったし。面白かったよ」
  アリソンはゆっくりと座った。
  「それは、そうでしょう......。はー、驚いた。どうしてそれをさっき言わないのよ?」
  「なんか、自慢したいみたいで」
  ぽつりと言ったヴィルに、アリソンが人差し指をさす。
  「ヴィルはね、何度も言うけれどもっと自分を誉めた方がいいわ。多少自慢してもいいの!」
  そしてその手を開いて空に向けて、
  「――って、そんな性格じゃないか。いいわ。代わりにわたしが、今度から隣でヴィルのことを自慢してあげる。“この人は、八七年かアシの射撃大会六位入賞者よ!”って。決まりだから」
  ヴィルは、苦笑いと照れ笑いの中間の顔を作った。
  「ヴィルに鉄砲って向いているのかもね。ほう、のんびりやさんほど射撃は上手いって」
  「そう言ってくれたのは、アリソンで二十七人目だよ」
  「数えてるの?」
  アリソンが聞いて、
  「いや。覚えてるだけ」
  ヴィルは何気なく言った。アリソンはふーんとつぶやいた。そして、
  「射撃の腕がいいのはいいな。わたしなんか、拳銃の訓練で五メートル先のスイカに当たらないのよ。隊長には、『そんなんじゃ戦闘機に乗っても弾の無駄だろう』なんて呆れられるし。そもそも、手で撃つのと飛行機で撃つのとじゃ全然違うわよね?」
  「......僕に聞かれても」



  “吃惊吧?”
  艾莉森甩着她那金色的头发,愉快地向威尔问道。但威尔看的却是完全不同的地方。
  “到那样的阶段都行吗……”
  “啊?什么啊?”
  “我说两方的关系啊。仅仅是军事交流就很惊讶了,军人之间那么轻松地说话,甚至还能通信,这个就是想也没想过啊……。艾莉森,我觉得你应该暂且回信说同意通信的嘛——哎呀呀”
  艾莉森捶了威尔一下。
  威尔开着摩托在穿梭在田野中。路比以前高了一段。这里的道路只是加固了泥土,并没有铺路。
  艾莉森坐在跨斗里悠闲地看着景色。田里的作物,地平线,还有远处中央山脉的群山。
  在一个什么都没有的地方,威尔减低了速度。看着前方,跟艾莉森说起了话。
  “这么说起来的话,上个月我去了卡亚西。”
  “……上个月的话,照例是那个祭典吧?”
  艾莉森把头转向威尔。威尔点了点头。
  “那个,倒是不错。好不好玩?”
  “那个……,我可不是去玩的,我去参加了射击大会。”
  “威尔你?为什么?”
  艾莉森惊讶地反问道。威尔边开着车,边不紧不慢地说道。
  “春季学期的时候,我应朋友之邀,参加了一个手枪射击的体验课程。是军事学的军官学校课程里的。因为以前从没碰过步枪之类的东西,觉得满有趣的。结果,后来突然被人夸奖说“你素质不错”……,第二天开始就被强制加入了射击部。我是觉得无所谓,就受教了一阵,结果这次突然被叫去说要我作为学校代表出席卡亚西的祭典。那个时候,有个刚毕业不久的学长虎视眈眈地盯着我……”
  “是那样啊。拉布多亚共和国的射击部也为了参加一次祭典,在大家面前演练,一直在练习着呢。”
  艾莉森非常非常吃惊地说道,接着貌似很随意地又问道,
  “那么,结果怎么样呢?得了什么吗?”
  “第六名。”
  威尔小声嘟囔道。
  “你说什么?第六名?”
  艾莉森从跨斗上站起身来,大声问道。威尔向她瞥了一眼。
  “站起来很危险的哦。——可能是偶然吧,碰巧状态好吧。我紧张得很,好像都不知道怎么开始怎么结束的。不过,大家都夸我,那个学长也不瞪我了。挺有趣的呢。”
  艾莉森慢慢地坐了下去。
  “是那样啊……。哈,真吃惊呢。为什么不早说啊?”
  “那个,好像是在炫耀啊。”
  艾莉森用食指指着小声嘟囔的威尔。
  “威尔啊,我说了多少遍了,也要夸奖夸奖自己的嘛。就算有点炫耀也不要紧的啦!”
  接着她张开双手伸向天空,
  “——,哎,你就是这样的脾气咯。好,那这次我来代替你,在旁边炫耀一下我们威尔。“这位就是八七年卡亚西的射击大会第六名哦”,就这么决定了。”
  威尔做了一个既像苦笑又有点不好意思的表情。
  “威尔,你可能很适合玩枪炮呢。嘿嘿,不是说性子慢的人都擅长射击吗。”
  “这么说的人,艾莉森你已经是第二十七个了哦。”
  “你在数吗?”
  艾莉森问道。
  “不是,就是记得而已。”
  威尔若无其事地答道。艾莉森“哦-”地嘟哝了一下,接着说道,
  “射击本领好就是好啊。像我这种,手枪训练的时候连5米远的西瓜都打不中哎。队长都被我搞得无奈死了,说‘你那个样子就是开战斗机也是浪费弹药嘛’。可是说起来,用手枪射击和开飞机射击毕竟是完全不同的两码事嘛,是吧?”
  “……问我有什么用。”  

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