2/02/2007

アリソン 第一章 「アリソンとヴィル」(艾莉森和威尔) part.4

  「一応おさらいだ。下手な絵で悪いけれど、山印が中央山脈、線がルトニ河だ」
  大陸は、山と川によって真っ二つに分けることができる。
  中央山脈は、一万メートル級の峰をいくつも抱える、世界最大最長の山脈。大陸南端の砂漠地帯から始まる山脈は、真北に向けて大陸を分断しながら延び、北緯三十度弱、大陸半分を進んで終わる。
  ここから、ルトニ河が大陸等分の役目を引き継ぐ。山脈左右を平行に流れていた東ルトニ河と西ルトニ河が合流し、いくつもの支流を抱えながら太くなっていく。大河は北に海へと、ほぼ真っ直ぐに向かう。
  「で、こっちにあるのか?」
  きれいに等分された大陸の地図の、東半分を指しながら教師が聞いた。
  「“ロクシェ”です」
  生徒の誰かが、すぐに答えた。教師が正式名称を訊ねて、
  「“ロクシアーヌク連邦”。私達の国です」
  一人の女子が答えた。
  「そうだ。正式名で覚えておかないとな。長いけれど」
  教師はそう言って、略称の方を黒板に書く。生徒にずるいと指摘され、ちっとも悪びれずに長いからなあと言った。次に西側を指して、
  「じゃあ、こっちは?」
  「“悪の帝国”」
  誰かがすかさずちゃかし、生徒達から笑いが起こった。
  「そう呼ぶ人もいる。じゃあ、正式名と略称は?」
  ちゃかした誰かは答えられず、しばらくして別の生徒が、
  「“ベゼル・イルトア王国連合”。えっと…、“スー・ベー・イル”だったと思います」
  「正解。ちなみに、“悪のナントカ”っ回答欄に書いたら不正解だよ。他に、正式ではないけれど、みんなが普通に呼ぶのがあるな。なんだ?」
  「“河向こう”」
  数人が一斉に答えた。
  「そう。ルトニ河の向こう側だから河向こう。簡単だろう?じゃあ河向こうの人達が、私達ロクシェのことを、普段なんて呼ぶか知っているかい?」
  教師が質問して、そして誰も答えられなかった。いくつか的外れな答えが出た後、静かになった。
  ヴィルはおとぎ話を読みながら、
  「“河向こう”――」
  ぼつりと正解をつぶやく。
  


  “大致就是这样了 ,虽然画得不太好,山印是中央山脉,线是鲁托尼河。”
  大陆因山和川恰好可以分成两半。
  中央山脉是拥有很多万米级山峰的,世界上最大最长的山脉。从大陆南端的沙漠地带开始的山脉,笔直向北延伸,把大陆分成几段,在不到北纬三十度的大陆的一半处结束。
  从这里开始,鲁托尼河接替承担了把大陆等分的职责。在山脉的左右平行而流的东鲁托尼河和西鲁托尼河合流后,又容纳了数条支流,渐渐变大。大河基本上笔直地向北出海。
  “那么,这里的是什么?”
  指着被完美地等分的大陆地图东半部分的老师问道。
  “‘洛克谢’”。
  有一个学生迅速答道。接着老师又问起正式名称,
  “‘洛克希阿努克联邦’。我们的祖国。”
  一个女生答道。
  “对了。正式名也要记住哦,虽然很长。”
  老师这么说着,却把略称写在黑板上。学生们纷纷指出老师好奸诈,老师却满不在乎地说,“因为太长了嘛~~”。然后指着西侧问道,
  “那么,这里呢?”
  “邪恶的帝国”
  不知谁立刻开玩笑地答道,学生们都笑了起来。
  “也有这么说的人。好,那么正式名称和略称是什么呢?”
  开玩笑的学生回答不出,接着一个别的学生答道,
  “‘贝泽尔·伊尔特亚联合王国’。嗯。。。好象叫‘斯-贝-伊尔’”
  “正确。顺便说一句,在回答栏里写‘邪恶的什么什么’的话是不对的哦。还有别的虽然不是正式的,但大家平常都这么叫的名字,是什么呢?”
  “‘河对岸’”
  几个人一齐答道。
  “对了,因为在鲁托尼河的对岸就叫河对岸,简单吧?那么,你们知道河对岸的人平时把我们洛克谢称作什么吗?”
  老师这样问道,但是谁也答不上来。在几个人回答错误以后,都不作声了。
  “河对岸--”
  威尔边读着童话书边嘟囔着正确答案。

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