2/10/2007

アリソン 第一章 「アリソンとヴィル」(艾莉森和威尔) part.7

  「このレストキ島が、どちらの領土かってことで、また戦いが始まった。このときは、この島とその周りだけが戦場になった。一年続いたんだけれど、結局どっちが勝ったということはなくて、最後は話し合いでどちらも島を所有しないことで終わった。これはとても画期的なことなんだ。それまではルトニ河の中央が国境線だったのに、この紛争の後は、河とその左右三十キロメートルは、お互いが軍隊を置いてはいけない地帯になった。これは緩衝地帯って言う。両方がぶつからないためのクッションみたいなものだ。もちろん今もそうだよ。ルトニ河に近づいていいのは、許可を受けた漁民だけなんだ。おかげで、何か突発的な事故で戦闘が始まってしまうことを防ぐことができる」
  教師は,懐中時計を取り出してみた。そして続ける。
  「もう一つ、レストキ島紛争中に起こった、歴史に残ることがある。これはもっと上の学年で習うけれどね、ついでだから言っておく。飛行機が、初めて戦争に使われたんだ。人類が始めて飛行機で飛んだのは、それより二十年前、大戦争が終わってすぐの時だったけれど、そのころは誰もこんなものが戦争に使えるなんて思ってなかった。でもそれからどんどん進化して、紛争中に飛行機は活躍した。偵察機とか、爆撃機とか、それを撃ち落す戦闘機とか。今度からは,飛行機が戦争で重要になって,大砲よりその数が勝ち負けを決めるのかもしれない。戦争のやり方は,がらっと変わるかもしれないな」
  ヴィルが顔を上げた。教師を見て、また本へ顔を戻す。
  「この十年間は、戦争は起きていない。少しずつだけれど、ロクシェとスー・ベー・イルの間の貿易も増えている。だから、平和な時代だって言ってもいいな。でも、将来はどうなるかは分からない。ロクシェとスー・ベー・イルは、絶対に仲良くなれない二人みたいなものだから、いつ喧嘩になってもおかしくないんだ。そのことは、忘れないようにしないと。向こうが戦争を仕掛けてきても、自分達の国を守るために、しっかりと立ち向かえるようにしておかなくちゃいけないんだ。十八歳になったら全員が軍隊に入るのは、そのためなんだよ」
  「どうして仲が悪いんですか?クラスメイトみたいにみんな仲良くすればいいのに」
  女子の一人が聞いた。
  「いい質問だね。みんなはそうしなくちゃだめだよ。人を嫌ったり、憎んだりしてはいけない。でも、ロクシェと河向こうは絶対に仲良くならない」
  真っ直ぐに見つめる生徒達に、教師が言う。
  「なぜかというと、お互いが、自分達こそがヒトとしての先祖だと思っているからなんだ。古代帝国では、ヒトは神様によって造られたと両方とも信じていた。そして戦争中は、自分達こそが先に造られた“ヒト”だ、この世界のヒトの“親”だって考えが当たり前だった。だから対等の立場で仲良くなんてできなかった。中世まで、その考え方はずっと続いた」
  教師は一息入れた。
  「そして最近になって、ヒトはとんでもない昔に、猿から進化したものだってことが研究で分かってきた。みんなも、ちっちゃな猿が、横に歩いていくとヒトになってく絵を見たことあるだろう?」
  生徒達が頷く。
  「そうすると、神様が造ったわけではなかったけれど、果たしてどちらの土地に、最初にヒトが誕生したのか?どちらの方により歴史があるのか?どっちが“親”なのか?みんなそのことを考えるようになった。そして両方とも、“やっぱり自分達がそうだ”、と思っているんだよ。このへんの勉強は、三年生になったらたくさんやることになる」
  「先生は、どっちだと思いますか?」
  「ん?」


  
   “为了这个雷斯特基岛是哪边的领土,又开始了战斗。这个时候,只有这个岛和周边地区是成了战场。虽然持续了1年,最后也没也没有谁获胜,最终通过谈判,以哪方也不拥有这座岛告终。这可是具有划时代意义的事件哦。在那之前鲁托尼河的中央是作为国境线的,在这次纷争之后,河和其左右三十公里,成为了双方都不能安置军队的地带。这个被叫做缓冲地带。是为了使双方无法冲突的类似缓冲物的东西。当然现在也是这样咯。能够接近鲁托尼河的,只有经过许可的渔民。多亏有了它,可以防止因什么突发事件而引起的战斗。”
  老师掏出怀表看了一下,然后继续。
  “历史上记载的,雷斯特基岛纷争的时候还有一件大事。这个要到更高的年级才学到,我只是顺便提一下。那就是飞机被第一次在战争中使用。人类开始用飞机飞行,是在距那20年前,大战争结束后的不久,那个时候谁也没有想到过这样的东西能够用于战争。但是之后飞机不断地进化,并在那纷争中大展拳脚。有侦察机啊,轰炸机啊,还有击落他们的战斗机啊。往后飞机在战争中变得重要了,比起大炮,说不定它们的数量更能决定胜负。说不定战争的方法会大大地改变啊。”
  威尔抬头看了看老师,又把头转回书上去了。
  “在这十年里,没有发生过战争。洛克谢和斯贝伊尔之间的贸易也在一点点地增长。因此,称之为和平时代也不为过。不过,将来会怎么样就不知道了。因为洛克谢和斯贝伊尔就像永远好不了的两个人一样,所以就算什么时候吵吵架也是不足为奇的。这点大家都要好好记住。一定要做好准备,若是对面发动战争,为了保护自己的国家,要能够挺住与之对抗。大家十八岁时都要从军,就是这个原因哦。” 
  “为什么关系不好呢?能像同学之间那么好的话就好了。。。”
  一个女生问道。
  “问得很好。我们大家都要好好相处哦。不可以讨厌别人或者憎恨别人。不过,洛克谢和斯贝伊尔是绝对不可能相处好的。”
  老师对目不转睛地盯着他的学生们说道。
  “说到为什么呢,是因为双方认为自己才是人类的祖先。在古代的帝国时期,两方都相信人是被神被造出来的。在战争中,自然都认为自己才是被先造出来的‘人’,是这个世界的人类的‘祖先’。因此,由于对等的立场,没有办法好好相处。那样的想法一直持续到中世纪。”
  老师稍事休息后继续。
  “接着到了最近,经过研究才渐渐知道了人是在很遥远的过去由猿进化而来的。大家也都看过一只小猿走着走着,渐渐变成人的图片吧?”
  学生们点点头。
  “那样的话,并不是神创造了人类了,可是人类到底在哪块土地上最早诞生的呢?哪一边的历史更悠久呢?哪一边才是‘祖先’呢?大家都考虑起了那个问题。然后两方都认为‘还是我们这里”。关于这方面的学习,到三年级会有很多的。”
  “老师你认为是哪一边呢?”
  “嗯?”
  

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